わすれたくないこと

地方大学生ドルオタの頭の中

舞台『デストラップ』を見に行ったこと


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A.B.C-Z橋本良亮くん出演舞台『デストラップ』大千秋楽おめでとうございました。初めて舞台遠征したのでドキドキでしたが楽しかったし面白かったです。兵庫公演8/3昼夜、8/4昼と計3公演見たので、その他もろもろも含めて書きます。

千秋楽過ぎたのでネタバレ気にする方いないと思いますが、ネタバレそこら中に落ちてます。あと、舞台の内容時系列に沿っていないとこ多いです。単に私の記憶力が悪いので。文章も舞台を見ていないと読みにくいかと思います。ごめんなさい!

 

 

  • 映画『デストラップ』での予習

私はデストラップの内容について気になっていたので事前に映画を見ました。舞台の話じゃなかったんかい!!!

デストラップ~死の罠~ [DVD]

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調べたら近所の図書館に所蔵されてたんだけどビデオでした。家にデッキもなかったので結局TSUTAYAでレンタルしました。

事前に映画を見ることにした理由は二つ。まず、舞台初心者なのでストーリーを知っておきたかった。そして、私は遠征して舞台を見に行くので、舞台と舞台の間に映画を見ることが物理的に難しかった。

舞台は5月に戸塚さん出演のDefiledを家の近所のホールに来るというので見たのが、人生で初めての観劇経験でした。しかも1公演だけ。その時は初めてのことにただただ圧倒されるばかり。台詞のテンポが思った以上に速く、内容を追っていくのに必死で面白かったけれど疲労感も残りました。もっと余裕をもって舞台を楽しみたかったし、内容を咀嚼したかった。DVDだと何回も止めたり巻き戻したりできるけど、生ものはそうもいかないから一挙一動気を張って見とかないと伏線に気づかぬまま終わってしまう。どうせ見るなら最大限楽しみたいじゃないですか!!!

出来れば舞台を見てから映画を見て内容ばっちり把握してもう一度舞台を見る、というようにしたかったんですけれども。まあ東京住みで舞台に通えるような状況じゃないと厳しいですよね…。

結果的に、最初の展開からはオチが全く読めなさ過ぎて、一回じゃ内容を把握できなかった。なので事前に見ていても舞台楽しめるなと思いました。ていうか自分が鳥頭すぎて映画の内容7割くらい覚えてなかったからあんま意味なかったかもしれない。でも内容が軽く分かっている、複数公演見ることができるという安心感、1幕と2幕の間に休憩があることから随分楽に見ることができました。

 

物語の基礎部分を主にシドニーが語っていく部分。なんの違和感もなく聞いていけました。シドニーの説明量は膨大だったのですが、言葉の強弱がはっきりとしていてとても聞き取りやすかったです。意味の濃い言葉ほど台詞の流れの中でポンと浮き出てきて理解がしやすい。

映画やドラマだと場面を転換したり、アングルを変えたり、物を見せることによって説明ができるけれど、舞台では説明の手法が限られてくる。お芝居だからもちろん感情表現は大事だけれど、こういう技量も必要なんだなーと思いました。

シドニーの赤ちゃんしゃべりとかセイウチとトドのくだりでコメディをちょこちょこはさんでくるのが小気味よい。ただ、クリフを殺そうとするまでのシドニーの気持ちの持っていき方が性急すぎてついていけなかったのと、マイラの人格がこの場面と後とでは印象が違っていてモヤモヤとした気持ちがあります。かなり後方からの観劇だったので表情があまり見えず、ニュアンスをつかみ損ねているところがあったのかもしれません。

 

クリフが颯爽と登場してきました。初めて生で橋本良亮くんを見た…。想像よりもしっかり男性感のある大きさでした。いや、当たり前なんですけど。いつも紙面上の二次元的に見ていたのでね。

ここの伏線の張り巡らされる量がやばくて、3公演全部新しい発見があったから未だに見落としてるとこあるんだろうなーと思います。中でも特に気になったところを挙げていきます。クリフが自分の思い出とともに部屋の中の小道具(武器)を説明していくところ、あれ、相手を本当に殺そうとしたときに使ったものしか取り上げてませんよね?だから、最初クリフが締められる鞭は触れられていない。もちろん発泡スチロールも。どちらも演技のために使われているものだから。

フーディーニの手錠もラストシーンにつながってくるもので、ひやひやさせられる場面の一つ。結局手錠が客の前で外されることなくラストにつながってくるものだから、ラストでどんでん返しからのひっくり返しにつながるんだよな。

 

兵庫公演ではこの3人のシーンからお客さんのコメディに対する反応が格段に良かったように感じました。3人だと一つのネタに対してボケとツッコミがしっかりできるからかな。

マイラの腕がクリフのお腹にめり込むネタで2回目にクリフがかわした後のガッツポーズは橋本くんぽさが出ていてなんか得した気分になりました(?)クリフを見に来たのにうっかり橋本くんにも出会えたみたいな。ラッキースケベみたいな。

シドニーが椅子にだらーんと横になるシーンでは「愛之助さんこんなことまでしちゃうの…!?!?」とどぎまぎしました。あとマイラのがに股。ロングのワンピースだからあんま見えてないけど。

 

クリフがあっけなく殺されて、これ舞台が初見だったら気が気じゃなかったよな…。こんなにクリフの出番少ないの?みたいな。

クリフが殺されてるときに抵抗しながらマイラのほうに転がっていくの、マイラの心臓に負担をかけるため?その後のやり取りで「ギリギリよ」ってマイラが言っているし。どこにどう転がるとか、最後どこに移動するとかそういうのも舞台って詰めていくんですよね…PAさんの機材音が聞こえる席だったのでどの台詞をきっかけにして効果音を出すのかな~~なんてことも考えてました。

 

一気に面白い場面になってしまって、話の流れを忘れそうになる。でも忘れさせないと一幕の最後につながらないっていう。ヘルガの台詞は兵庫公演だからか関西弁も結構混じってました。デート中の男の考えていることがわかる、のくだりではベージュ色の下着とユニクロのブラトップの2パターンがあって、そりゃ笑いますわ。絶好調!絶好調!の動きも絶妙に下手だから笑える。上手くはないけれど、元ネタがわかるレベルの動き。ランニングマンとかひげダンス、ムーンウォークなど年代を問わずあれだ!ってわかること自体もすごい。

ここでさりげなく話の中に出てきていた黒髪の美女のナイフ、この場面ではマイラの比喩として使われている。机の中にナイフをしまうとき、シドニーが「退場!」といってたりとか、あともうちょい台詞があったはずなんだけど忘れた。

ヘルガの台詞はこれからの起こることを正しく言い当てているので、ヘルガの予言を二回目聞いたときに納得しました。人物によって物語の流れ・内容と照らし合わせると正しいことを言っている人、違ったことを言っている人ときっちり区別がついているのかな~とも思いましたがちゃんと検証しきれていません。

全てはクリフによって記憶が上書きされてるからだな。誰だってびっくりするわあんなん。さすがに3公演目には1幕ラストに至るまでの照明の変化を追ってました。自然と空が暗くなり、カーテンが開かれたままだけど窓の奥が気づかぬうちに真っ暗になっていく。見ている側に違和感なくラストの衝撃を与えられるような照明を作っていてかっこいいなと思いました。舞台はあくまでも室内なので、セットを大きく変えることなく時間を提示できる照明の効果もあるけど、重要なシーンをいかに強く印象付けられるかというのも照明が担っているんですね。

照明に関していえば、シドニーが暖炉で原稿を燃やすシーン、シドニーが赤い炎で不気味に照らされるのが一、二幕どちらもラスト近くで入っているやつ。あれって、何を見せたかったんでしょう?ちょっと私には読み取れなかった…。対になってるぽかったんだけども。

 

いやーどうなるかと思ったけどこんなに爽やかなクリフが見れるとこっちの気持ちも晴れ晴れするね!あと、「ポーターのアドリブ長すぎ」ってクリフそれなwwwwww

ポーターが出てきてからコメディのアクセル全開にすんだもん。笑いっぱなしでした。兵庫公演の会場が兵庫県立芸術文化センターで、隣に阪急西宮ガーデンズがあって、それも取り入れてた。

シドニー!森を抜けた先に庭があるんだ!ねえ、行こうよ!(舞台を)ほっぽってさ!その庭にローストビーフ星っていう店があってね、すごいんだ、これでもかというくらい盛られてるの!ビジュアルが!すごい!!!!」

みたいなことを3公演とも言っていて、めっちゃ笑った。食べてはないけどフードコートからそのお店のメニュー見たらほんとビジュアルすごかった。

ローストビーフ星

食べログ ローストビーフ星

一番良かったのは4日の公演で、コートかけでポーターが歌い出してお客さんが手拍子しはじめたやつかな。ポーターも鳴りやまぬ手拍子にめちゃくちゃ困惑しててさすがにシドニーに助けを求めてたwその後ヘルガにも「あいつ裏で「あんなことになるとは思ってなかったんだよお」って言ってる!!!!」とネタにされてたし今までで一度もなかったのかな。3公演中4日の客席の反応が良かったし、お客さんも舞台慣れしてた感じがしました。舞台は主導権はスタッフ・キャストが握ってるものだけど、客席にいる人たちも重要な要素なんだなーと身に染みて感じられた瞬間でした。

「エリザベスによろしく」というシドニーの台詞が本来のきっかけではなく、ポーターを引き留めるために機能していてそれはもう面白かった。もう言わなくてもいいのにシドニーが何回も「エリザベスによろしく」って言うもんだから逆に帰れなくなってた。

あと、クリフが玄関のドアノブの位置を間違えてて、めっちゃポーターが突っ込んでいたのが可愛かったです。3日の公演は昼夜どちらも間違えてて、4日はなかった。3日の昼は素で間違えたのだろうか?詳しくレポ漁ってないので自信ないです。乳酸菌の入ってないヨーグルトのくだりはクリフがめっちゃかっこよく見えて役得でしたね。元からかっこいいのですけど。

ミルグリム・ミリグラム・キログラムのくだりはクリフが最後に「すみません坂田さん」ってぶっこんだり、ミルグリムって言おうとしたのに口が回らなくなってクリフが自分で笑ってたり、ポーターが突然参戦してきたりはちゃめちゃ感ありました。

あ、タイプライター!お誕生日ケーキに橋本くんがタイプライター型のやつをもらってたので、使われるのは知ってたけどああいう使われ方をするとは思っていなかった。連打の件です。最初一本指で連打、次に両手それぞれ一本指で連打、なんかゲームしてるみたいでめっちゃかわいかった。タイプライターのカチカチ音がきれいに鳴っているときと不発に終わっているときがあったのだけど、あれはどういうことだったのだろう?指圧の強さによるものなのか、機械側の不調か。あえて鳴らさないようにして他の人の台詞の聞こえを邪魔しないようにしてるんだったらすごいけど。そこまで必要か?うーん。ここまで深読みする必要はないっすね。

 

 ヘルガの「ブーツの男!」の言い方が可愛かった。お茶目な感じ。あと、ヘルガがバタバタ走るの不自然さが上手い。走るだけでお客さん笑ってたりしてたもんな。

アドリブではクリフのマニキュアつっこまれてました。4日には「黒のマニキュア塗ってるだろ!」って言われてたので黒のマニキュア買いに行きたくなりました。一応まだ踏みとどまってる…。あと8/4はハッシーの日って言われてた。めっちゃ橋本くん愛されてますね!!!!!!

アドリブのことばっか覚えててこの辺の本筋覚えてないってどういうことなの。

 

物語がラストに向けて動き出してくる場面。物語が本筋に入ってきます。多分、シドニーとクリフはお互いが好きで、好きすぎるゆえに相いれない部分に納得がいかなくて、お互いを傷つけちゃう(それも究極に)んだろうな、と私は思います。お互いがお互いのデストラップにかかっていて、ついには共倒れをしてしまう。だって、それはただの罠ではなく、デストラップ、死の罠なのだから。

シドニーがクリフに「君を愛しているんだ」と言ったり、1幕ラストで身を寄せ合いながら暗転するシーンから読み取るに、本当にお互いを愛しすぎている。それが人間としてなのか、才能からなのかはっきりとはしないけれど。それゆえ、シドニーはクリフが「デストラップ」を世に出そうとすること、クリフはシドニーが自分を認めてくれないことが許せなかった。愛している人に自分の思うとおりに愛されたい、愛してほしい。その食い違いが悲劇を生んだ。それがこの物語『デストラップ』の中核なのではないでしょうか。

二人が実際に武器を用いたシーンはこれでもかというほどに攻防逆転の連続で、いつどちらが勝って終わるのだろうとハラハラさせられました。クリフは高笑いをしたり声が上ずったりして次第に狂っていく印象を受けたけど、シドニーは最後までクリフに対して優勢でいようとして自分が勝者であることを疑わない余裕があった。師匠と弟子、という関係性もあるし、年齢の上下もある。罠を仕掛けた順番も。あそこでシドニーまで激しく狂っていたらクリフの狂気も栄えないし、うまく二人のキャラクターにハマった攻防だったと思います。

予備動作なしに動き出して静かに襲いかかるクリフは普通に怖かった。頭が冷めてる感じマジでmadness。スリラー物の劇作家としては幸せなラストなのかも。

この二人のコメディは高枝ばさみのくだりですが、8/3は前日にFNS音楽の日に出演していたのでそのネタを使っていました。「昨日のFNSでやってたじゃないか」「ちょっとだけだよ」というようにシドニーが出演部分を見たようなことをにおわせて。カテコでも無事合流出来て良かったと言っていたので愛知公演のあとは橋本くんだけ別行動だったのかな?8/4は「金髪のやつが一番ヤバい」が最後の台詞でした。

 

  • エンディング(ポーターとヘルガ)

最後笑わせてくれてありがとうございました。デストラップがついにはヘルガのものになっていて、少し頭が混乱してしまうけど。ナイフに対して指カンチョウで対抗するポーターが愛おしくなってきた。なんかこういう後片付けがあるとホッとします。少し軽い気持ちで劇場を後にできる。物語なんだから救いがあってもいいよね。

 

  • カーテンコール

キャスト5人がステージに集結。ヘルガとポーターがそれぞれ下手と上手、マイラは2階につながる階段、クリフは庭につながる窓、シドニーは玄関から。客席からの拍手に対して手を振ってくれてました。

3日の夜、橋本くんの両手ピースの形のままお手ふりしてたの意味わかんなくて可愛かったです。カテコでいきなりクリフから橋本くんになるもんだからこっちが情緒不安定になりません??????4日はハッシーの日のネタを愛之助さんも引きずってて、橋本くんが「8月4日はハッシーの日ではありません!」と元気に宣言してたのも良かったですね。so cute。

 

 

以上、私的舞台『デストラップ』のまとめでした。本当は8/3の昼と8/4の2公演分しかチケットを取っていなかったのですが、勢いで夜公演も当日券で入っちゃったんだよなあ。3公演飽きずに見られて作品を十分に楽しめたので、他の舞台演劇、地元でも見に行くことになりそうです。せっかく九州では一番大きな都市に住んでることを生かさない手はないですよね。今まできっかけも無くてなかなか舞台に興味を持たなかったけれど、今回重い腰を上げた甲斐がありました。

次また舞台を橋本くんがやるときはもちろん見に行きたいです。デストラップ全公演無事終演お疲れ様でした。私にとって大切な作品になりました。これからもキャスト・スタッフさんのご活躍をお祈りしております。

ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!